2017年から個人で年金資産を運用する個人型確定拠出年金(DC)に原則、誰でも入れるようになる。
加入できる対象や公務員や専業主婦などにも広げる関連法が2016年5月24日の衆院本会議で成立。
公的年金だけに頼らず、自助努力で老後の備えを促す狙いがある。

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個人型DCとは?

個人型DCは民間が運営する私的年金の1つ。
これまで自営業者や企業独自の年金(企業型DC)がない会社員ら約4千万人しか加入できなかった。

加入できる対象を広げることで約6700万人が加入できることになる。

これで、低所得で国民年金の保険料が免除される人たちを除き、すべての成人が加入することができるようになる。

公的年金と違い、加入の判断や運用する掛金の額、運用商品を個人が判断し、運用次第で将来の年金額が変わる。

月額掛金の最高額は自営業者は68,000円、企業独自の年金(企業型DC)がない会社員及び主婦は23,000円。

個人型DCの加入対象を拡大した理由

公的年金は少子高齢化に応じて年金額の伸びを自動調整するため、目減りしていく。

厚生労働省の2014年の試算では、夫婦2人のモデル世帯が受け取れる厚生年金の水準は、経済が高成長するケースでも30年後に現在より2割下がる見通し。

国民1人1人が公的年金以外の収入源をどう確保するのかを考えないといけない時代になった。

個人型DCのリスク

個人型DCは公的年金と違い、加入の判断や運用する掛金の額、運用商品を個人が判断し、運用次第で将来の年金が変わる。

したがって、運用成績が悪ければ受け取れる年金が掛金の総額を下回るリスクがある。

低リスク資産となると銀行の定期預金だが、現在は、年々金利は下がる一方で、0.01%程度。

私が個人事業の時から個人型DCを運営しているが、最初、多くの運用商品の何を選ぶのか、月額掛金をどう分散すればよいのかさっぱり分からなかった。

さらに運用には月額利用料が必要であり、運用成績がトントンだとマイナスになってしまう。

しかし、続けているうちに運用利益が出る商品と出ない商品が分かれてくるので運用利益が出た商品の割合を増やしている。

政府が国民に投資を勧めるなら、投資教育が必要ではないか。
いずれにしても相場は先が読めない。
プロでも失敗することがある。
結局はギャンブルなのであるから、運用をまかせるというのもいかがなものか。

また、公的年金は死亡するまで受け取れるが、私的年金は運用で得た分を自分で決めた期間だけ受け取る仕組み。
このため、「長生きリスク」にも対応しきれない。

私は現在、個人会社を経営しているが、小規模企業共済制度に加入した。
また、会社としては中小企業倒産防止共済の掛金を納付している。
リスクは分散するに越したことはない。
(朝日新聞2016/5/25記事参照)

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