「インフレに向かう世界」(朝倉慶著/徳間書店)を読んだので感想を披露します。インフレに向かう現代、投資対象に何を選べばよいのでしょうか?
本を読んだ動機
低金利の時代にNISAをきっかけに株式投資(特に株式優待)を始めたいと考えているので、今後の参考に読んでみました。
著者の朝倉慶氏については初めて知ったのですが、経済アナリストということです。
(株)アセットマネジメントあさくら代表取締役社長で、顧客向けに発行する経済レポートで、ここ数年の予測をことごとく的中させる。
経営コンサルタントの船井幸雄氏も朝倉氏のことを著書で「経済予測の超プロ・K氏」として紹介しています。
言いっぱなしの批評家ではないようです。
ただ、残念なのは、この本が2013年9月30日の発刊だということ。
今は2014年4月なので、既に刊行されてから半年経っています。
その間、経済情勢等も変化しています。
予測が古くならないかということです。
しかし、これに関して朝倉氏は本の中で、「短期的な予測は難しい。投資で大事なのは大局観を間違えないこと。」的なことを言っています。(P220)
インフレに向かう世界とは?
日本ではアベノミクスを実現する為、日銀は国債を買いあさり、市場にお金を流している。
目指すところはインフレであるが、インフレは制御できなくなる。
やがて金利は上がり、国債は暴落する。
そして、インフレは海外でも同じく起こる。
きっかけは米国の規制緩和の縮小。
世界中に流れていたマネーが引き上げられ、米国に向かう。
引き上げられた各国のインフレになる。
株式を買うべし
朝倉氏の主張の根幹は、国債は将来、暴落する。
従って、国債の比重が高い、生保、銀行も駄目になる。
そこで、これから投資するなら、インフレに強い株式や不動産だという。
これについては「第8章 インフレに向かう世界で資産をいかに守るべきか」に詳しい。
具体的には下記の株式です。
◇東京ドーム、よみうりランド、東京都競馬、セイコーホールディングス、帝国ホテル、藤田観光、東映、テアトル、昭和飛行機、ダイビル、京成
◇不動産関連:平和不動産(ボロ)、NECキャピタルソリューション、イーギャランティー、Jトラスト・・・「でんさいネット」絡み
◇ノンバンクジャンル:オリエントコーポーレーション
◇日本トリム・・・整水器
「インフレに向かう世界」感想
アベノミクスに関わる日銀の政策については私は納得できないのですが、著者も日銀がお札を刷って国債を大量に購入することに対して批判的です。
今の政策がインフレ、国債暴落につながるという。
この本を読むと投資の世界のことが良くわかる。
ただ、同じ主張が繰り返されているのがうっとしい。
恐らく、この本は1章1章が講演の内容、あるいはレポートなのではないかと思います。
著者の最新のレポートを読みたいものです。
2014年 インフレに向かう世界: だから株にマネーが殺到する! (一般書)