ノックイン投信とは、定期預金が満期を迎えた時などに銀行の窓口でよく勧められる「投資信託(投信)」の一種。
投信している3~5年に一定の条件を満たせば、投資金額(元本)は全額戻り、毎年、預金金利よりも高い「分配金」が受けられる。
投資信託(投信)とは?
投資信託(投信)は、金融機関の専門家が投資家から集めたお金を一つにまとめ、株式などを買って運用するもの。
運用に成功すればお金が増え、投資家に分配金や償還金などで渡す。
ただし、失敗すればお金は減るので、受取額が投資額を下回る「元本割れ」の危険(リスク)はある。
ノックイン投信の特徴
ノックイン投信は、株価指数に損益を連動させた「仕組み債」と呼ばれる金融商品に集中投資する。
元本が全額戻るかどうかの条件も、株価指数などが指標になる。
投資期間は3~5年で、株価の代表的な指標である「日経平均株価」が基準になるものが一般的。
ノックイン投信の仕組み
そもそも「ノックイン」とは?
株価指数など対象となる資産の価格(以下、「株価指数等」)があらかじめ決められた水準と等しくなるかこれを超えることを「ノックイン」といい、「あらかじめ決められた水準」のことを「ノックイン価格」という。
「ノックイン投信」とは、上述の「ノックイン」にならなければ、比較的高い利回りが支払われるといった、特殊な条件が定められた債券(仕組債)を投資対象とする投資信託で、期間中に一度でも「ノックイン」になった場合には、株価指数等に連動して償還価額が変動することとなる。
ノックイン投信の危険性
ノックインしない場合には、元本が確保されるとともに、定期預金や個人向け国債などを比較すると、高利回りが期待できる。
ただ、投資元本が保証されているものではなく、株価指数等の動向によっては、償還の際に損失が生じるおそれがある。
多くのノックイン投信では、株価指数等が一定水準(早期償還判定水準)と等しくなるかまたはこれを超えた場合に投資信託が早期償還される「早期償還条項」がついている。
しかし、「早期償還」の条件は厳しく、損を出す可能性が大きい。
損失を出す可能性の大きい危険な商品だと言える。
(朝日新聞2014/8/24記事等を参照)